Jun 2, 2013

【読書】『桐島、部活やめるってよ』



チャットモンチーと『ジョゼと虎と魚たち』
引用が所々にあった。チャットモンチー、aiko、大塚愛、『ジョゼと虎と魚たち』。チャットモンチーの作品の持つ世界観、あるいは『ジョゼと虎と魚たち』の有するそれ。どれも僕には身近なものではなかったです。しかし、それは高校生っぽかったわけで。チャットモンチーも聴かないし、『ジョゼと虎と魚たち』も観ていない。僕はもう高校生ではないんです。だからこそ、そんな固有名詞たちが「高校生っぽい」と感じたのかもしれません。

世界としての学校
中学生、高校生の頃、「学校」は世界である。外に向いていく想いはその世界から抜け出すことを許さない。

「椅子を蹴り倒し席を立てる日を日を日を日を日を願ってた」(鬼束ちひろ『シャイン』)

鬼束ちひろはそんな風に歌う。学校という世界から抜け出すことを願うのは、そこから容易には抜け出せないからではないでしょうか。しかし、そんな「世界」もいずれは終わりを迎える。あると思っていた鎖が存在していないことを知る日が来る。抜け出すことを願うものがいれば、終わりを告げようとする「世界」に不安を覚える者もいるんでしょう。そういう感じがいい具合に描かれているのではないかと。僕なんかは、その感じが読んでいて最も楽しかった。

さいごに
少し前に映画化されてましたよね。

なんだか評判が良い様子なので、そっちもそのうちみようかと思ってます。でも、この予告編を見る限りは、原作とは別物なんですかね。そんなところも楽しみにしながら、近いうちにでも。


偏見に満ちた評価:★★★☆☆


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