おもしろい作品というものは、一体どこに潜んでいるのかわからないものです。たまたま家の本棚に眠っていたところを僕に発掘されたこの『ベロニカは死ぬことにした』も例外ではなかったです。なんとなく手に取り、読み始めたはずが、一気に引き込まれていました。
あらすじ:
ベロニカという美しい少女の物語。誰もが羨むような人生を送っていたはずの彼女。しかし、人の問題というのは外からみえるものばかりではない。彼女の場合も然り。ある日、自殺を図るベロニカ。そこから物語が幕を開ける。
僕が大好きな坂口安吾は『堕落論』のなかでこんなことを言っています。
「二十の処女をわざわざ六十の老醜の姿の上で常に見つめなければならぬのか。これは私には分からない。私は二十の美女を好む」
『ベロニカは死ぬことにした』もそんな想いから始まります。坂口安吾に負けず劣らず「中二臭」がプンプンします。中二病をこじらせている身としては、かなり楽しめました。
偏見に満ちた評価:★★★★☆
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