May 12, 2013

【読書】『韓国天才少年の数奇な半生』



天才、あるいは神童と呼ばれる人は、変わった人生を歩みがちです。キム・ウンヨンも例外ではないようです。そんなキム・ウンヨン氏を追いかけ続けたフリーランスライターの大橋義輝による一冊。

キム・ウンヨンという少年
僕はキム・ウンヨンという人間のことを知りませんでした。『韓国天才少年の数奇な半生』によると、
・2000年に1人のIQを持つ天才。
・1歳にして漢字を操る。
・3歳にして『星にきいてごらん』という書籍を出版。
・3歳にしてIQ測定不能のためにIQ210となる。(81年版から謎の削除をされるまでギネス記録)
・4歳にして日本のテレビ番組で、東大生ふたりを数学で負かす。
すさまじい。まさしく神童としか言いようがない。当然の如く、マスコミの標的になったそうです。しかし、あるとき、忽然とメディア上から姿を消してしまったキム・ウンヨン少年。


天才と教育

『韓国天才少年の数奇な半生』ではキム・ウンヨン氏に関することだけではなく、数多の智の巨人達についても触れています。そして、彼らのうけた教育についても。そんな脱線話もおもしろかったです。

神童/天才と教育といえば、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』が浮かんできます。

村一番の神童ハンス・ギーベンラートが「車輪(社会制度)」に押しつぶされていく様を描いた作品。ハンス少年は幼いころから、勉学に励み、神童と言われるようになります。しかし、すばらしい友人との出会いなどを通じて、あるいは神童教育の反動からか、徐々にエリートコースを脱線していきます。

MASS EDUCATION.

幼いころから詰め込むことによる反動。神童教育にはそういったマイナス面が存在しているはずです。二十歳を過ぎればなんちゃらという言葉もあるように。そういった「教育」により潰されてしまった子どもたち。だからといって、読み聞かせも何もしない放任主義がいいのかといわれれば、必ずしもそうだとは言い切れないのかと。やっぱり、その子に適した教育方針を模索してあげるのが最適な教育なのではないかと思います。決して簡単ではないですが。そんなことを考えていると、子育てって相当大変なことだなと。

さいごに
良く言えば、サラッと読めます。僕も2時間程で読み終えました。もちろん十分に楽しませてもらいました。しかし、苦言を呈すれば、帯には「天才とは、教育とは、親子関係とは」と謳っているのに、そこまでこちらに訴えかけてくるほどのものでもなかったのかな、と。


偏見に満ちた評価:★★★☆☆


【読書】『ベロニカは死ぬことにした』



おもしろい作品というものは、一体どこに潜んでいるのかわからないものです。たまたま家の本棚に眠っていたところを僕に発掘されたこの『ベロニカは死ぬことにした』も例外ではなかったです。なんとなく手に取り、読み始めたはずが、一気に引き込まれていました。

あらすじ:
ベロニカという美しい少女の物語。誰もが羨むような人生を送っていたはずの彼女。しかし、人の問題というのは外からみえるものばかりではない。彼女の場合も然り。ある日、自殺を図るベロニカ。そこから物語が幕を開ける。


僕が大好きな坂口安吾は『堕落論』のなかでこんなことを言っています。
「二十の処女をわざわざ六十の老醜の姿の上で常に見つめなければならぬのか。これは私には分からない。私は二十の美女を好む」


『ベロニカは死ぬことにした』もそんな想いから始まります。坂口安吾に負けず劣らず「中二臭」がプンプンします。中二病をこじらせている身としては、かなり楽しめました。

偏見に満ちた評価:★★★★☆



May 2, 2013

白か黒か


大人なのか。子供なのか。オタクなのか。中二病なのか。ノマドなのか。暇人なのか。好きなのか。嫌いなのか。真面目なのか。不真面目なのか。

世界はどうにも二極化しがちだ。そうすることで人間というものを「わかろう」としている、僕たち。ただし、本当のところ、そんな風にシンプルにはカテゴライズできるようなものではなくて。そんなことをわかっているから、その狭間で見失う。グレーゾーンに漂う、僕たち。

わからないからこそ、わかろうとする。そもそものところで、わかるはずのないものをわかろうともがいている。そんな様が、歯痒くも、美しい。

ここ何日か、暗くなるとジンを独りでちびちびやっている。煙草も吸う。グレーゾーンから抜け出せる気はしない。