Oct 24, 2012
ブリキの太鼓
あらすじ:
舞台は20世紀初頭のポーランド。3歳を目前にしたオスカル少年はセックスに明け暮れる、汚い大人たちにうんざり。そして、3歳の誕生日に自らの成長を止めてしまいます。肉体的には3歳児、しかし年齢は繰っていくオスカル少年は、叫ぶことでガラスを割る能力を持っています。そんな彼と周囲の人の物語。
オスカー少年というフィルターを通して当時のナチスの台頭の状況を織り交ぜながら「大人」を描いたこの作品。
「汚れた大人」になりたくないオスカー少年ですが、登場人物の中で最も「汚い」というか「あくどい」。他にもあくどい子供が何人かでてくるのですが、おそらくこの作品は「汚れた大人」というよりも「子供の残酷さ、あくどさ」を描いている。
あまり内容をばらしたくないので詳しくは書きませんが、とにかく「いかがわしい」、「生々しい」、「グロテスク」な映画でした。オスカーのシャウトは非常に不快でしたが、この映画自体は気に入りました。
Oct 22, 2012
冷たい熱帯魚
あらすじ:
死別した前妻の娘と現在の妻。その折り合いの悪い二人に挟まれながらも、主人公の社本信行は小さな熱帯魚店を営んでいた。波風の立たないよう静かに暮らす小市民的気質の社本。だが、家族の確執に向き合わない彼の態度は、ついに娘の万引きを招く。スーパーでの万引き発覚で窮地に陥る社本だったが、そんな彼を救ったのはスーパー店長の友人である村田だった。村田の懇願により店長は万引きを許す。さらに大型熱帯魚店を経営する村田は、娘をバイトとして雇い入れる。その親切さと人の良さそうな男に誘われて、社本と村田夫婦との交流が始まる。しばらくして、利益の大きい高級魚の取引を持ちかけられる社本。それが、村田の悪逆非道な「ビジネス」を知り、同時に引き返せなくなる顛末への引き金となった。(冷たい熱帯魚 - wikipedia)
園子温の手にかかるとこんなものが生まれてしまうのかと驚愕。
登場人物のサイコパスっぷり。エロ満載。もちろんR-18であろう作品。
余計なエロ要素が入ってるような気がする点など、解せない点、突っ込みどころはあるのだけれど、それでも、そんなこと忘れてしまうくらいに強烈だった。
決しておすすめはしません。が、僕は見入ってしましました。
Oct 21, 2012
Never Let Me Go
カズオイシグロの同名SF小説の映画化。
いい映画でした。出演者たちの、いい意味で、抑えられた演技というか。原作の世界観をうまい具合に描き出していたのではないでしょうか。
あらすじ:
寄宿学校「ヘールシャム」で幼いころから共に学んできたKathy、Ruth、Tommyの三人。恋仲になるRuthとTommy。18歳をむかえた3人はある農場のコテージで共同生活を始める。しかし、彼らを待ち受ける運命からは逃れられないのであった。
「人生の短さを感じた時、われわれは何を大切に思うだろうか」(NHKのETV「カズオ・イシグロをさがして」より)イシグロ氏はこのようにこの作品のコンセプトを語ってます。
最後に印象的だった台詞をいくつか。
"It had never occurred to me that our lives, which had been so closely interwoven, could unravel with such speed. If I'd known, maybe I'd have kept tighter hold of them and not let unseen tides pull us apart."
"We all complete. Maybe none of us really understand what we've lived through, or feel we've had enough time."
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